ユニベールボランティア
私たちがめざす“心のケア”とは、高齢者により添って心の声を聴き、そばに居続けて自立を見守ることです

ユニベールボランティアは、高齢者の想いに耳を傾けるシニアによるボランティア・プログラムです。高齢者の心のケアをめざして、友愛訪問・話し相手としてのボランティア活動を継続しています。

ユニベール財団では設立間もない1992年から、米国のミシガン大学に医師や看護師、ソーシャルワーカーなどの医療・保健・福祉の専門職を派遣する2週間の「ミシガン大学老年学夏期セミナー」を10年間実施してきました。同大学の医療センターの傘下に高齢者専門のクリニックがあり、ここでは多職種の専門職が互いに連携・協働する「チームアプローチ」の構成メンバーの一員として、「ピア・ボランティア」が活躍していました。“ピア(peer)”とは仲間、同僚の意。クリニックで治療を受けて健康を回復した高齢者が研修・訓練を受けて、ボランティアとして地域の高齢者宅を定期的に訪問して一緒に話をしたり、食事に連れ出したり、診察に連れていったりする「友愛訪問」がおこなわれていました。
同じ年代だからこそ分かる心。ミシガンのピア・ボランティアをお手本としたのが「ユニベールボランティア」です。


ユニベールボランティア神戸

1995年4月、阪神・淡路大震災の被災された方々、特に仮設住宅に住む独居高齢者を精神面からサポートする目的で神戸での活動が始まりました。地元の社会福祉協議会やボランティアセンターと連携して、神戸市、西宮市、芦屋市などの仮設住宅で、高齢被災者の心のケアの一助となるべく訪問活動を継続しました。

大震災発生から年月が経ち仮設住宅はなくなりましたが、現在では、神戸市、芦屋市、高槻市の個人宅、復興住宅などで友愛訪問を継続し、併せて高齢者の閉じこもり予防のための茶話会などを開催。高齢者が安心して暮らせるコミュニティづくりに向け活動しています。

 
「1.17KOBEに“灯り”を」に
協力しています

 
仮設住宅の友愛訪問活動

ユニベールボランティア東京

1997年から精神科医、臨床心理士などを講師に迎え、高齢者の心を支えるボランティアの基本姿勢を学ぶ「高齢者のこころを支えるボランティア養成講座」を開催してきました。この講座の修了生が中心になって、2000年8月に東京での活動が始まりました。

2001年4月から三宅島噴火災害により東京都武蔵村山市に避難された被災高齢者を対象に友愛訪問活動を始め、活動は2005年2月の全島帰島まで続きました。現在は、東京都立川市内で、主に地域包括支援センターと居宅介護支援事業所のケアマネジャーからの紹介により高齢者宅の友愛訪問を中心に活動しています。 

また、心のケアをめざして活動している傾聴ボランティア団体とのネットワークを築いていくべく、「日本ケアマネジメント学会第8回研究大会」(2009年パシフィコ横浜・国立大ホール)や「全国ボランティアフェスティバルTOKYO」(2011年11月青山学院大学)などに積極的に参加して、ユニベールボランティアの友愛訪問の事例発表をするなど、ボランティアがおこなう“傾聴”の大切さを訴えています。

 
三宅島島民の方々との
「秋を楽しむ会」

 
「三宅島島民のふれあい集会」にて