日韓こころの交流プログラム
シンポジウムとセミナーを通して、高齢化社会の課題にともに取り組む

  1. “日韓こころの交流”シンポジウム
    日本および韓国の社会福祉諸団体の協力のもと、両国で交互(一年毎)に社会福祉の専門家と一般市民を対象にシンポジウムを開催しています。両国の社会福祉関係者が一堂に集まり、国際的な視野でソーシャルワーク実践の専門性や役割などについて討議します。

  2. 専門職育成・国際交流セミナー
    福祉現場で働く若手専門職と専門職をめざす大学院生を公募選考し、約10名をシンポジウム開催現地に派遣して、一週間の「専門職育成・国際交流セミナー」を実施しています。この研修セミナーでは、高齢・児童・障害などの各分野において先進的な取り組みをしている施設の視察や大学院の授業に参加し、両国の福祉制度・実践の特徴と課題点を考察。交流を深めます。


第16回“日韓こころの交流”シンポジウム

公・民協働で取り組む地域共生社会の実現―先進的実践と課題

  • 2018年11月30日(金)
    午後1:00~午後4:40
  • 龍谷大学 響都ホール 校友会館
    京都市南区東九条西山王町31アバンティ9階
    (JR京都駅八条東口より徒歩1分)

    ※終了いたしました


講師

〔基調講演〕

渋谷 篤男
社会福祉法人中央共同募金会常務理事
社会福祉法人全国社会福祉協議会前常務理事

〔事例発表/パネルディスカッション〕

栗林 知絵子
NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク理事長
勝部 麗子
豊中市社会福祉協議会 コミュニティソーシャルワーカー
キム・ジョンハン
ノウォン区庁児童青少年課 児童にやさしい政策チーム長
ムン・ミジョン
本五総合社会福祉館 ケース管理センター部長
牧里 毎治
関西学院大学名誉教授(コーディネーター)

無縁社会と言われるように絆やつながりの薄い社会になってきました。人々のつながりにも格差があり、経済的格差と同じように孤立や孤独の谷間に落ち込んでいる人たちが存在しています。一人の社会的孤立も見捨てない社会が「地域共生社会」だとすれば、どのように実現することができるのでしょう。「地域共生社会」の実現は、一人の不幸も見逃さないコミュニティケアの推進にあると考えると、行政と市民の公民協働で取り組む必要があります。子どもも大人も地域社会につなげていくとはどういうことを意味するのか、韓国と日本の国境を越えて、私たちになにができるのか一緒に考えていきます。

  • 参加対象:社会福祉従事者および研究者、学生等、一般市民
  • 参 加 費:無料


募集要項・参加申込書のダウンロード

2018年度はセミナーの参加者募集はありません。
韓国から若手ソーシャルワーカーおよび大学院生を招聘します。


セミナー・レポート


第16回シンポジウム『公・民協働で取り組む地域共生社会の実現―先進的実践と課題』を開催

現在、人と人のつながりが希薄化し、孤立する人が増えていることが社会問題となっています。一人の社会的孤立も見捨てない「地域共生社会」の実現について考えるシンポジウムを開催しました。
2018年11月30日、会場となった龍谷大学 響都ホール 校友会館には、社会福祉従事者や研究者、ボランティア等、約120名が来場されました。

基調講演
社会福祉協議会を長年にわたり牽引してこられた社会福祉法人中央共同募金会常務理事・渋谷篤男氏が講演されました。
渋谷氏は、人間関係・社会関係が希薄になっていることが原因で、深刻な問題を持つに至っている人が多く、あらためて地域社会の力が求められていると指摘されました。

事例発表
日韓両国から4人の専門家をお招きし、それぞれの地域での実践をご紹介いただきました。
日本からは、子どもたちに安価に食事を提供する「子ども食堂」の先駆者として知られる、NPO 法人豊島子ども WAKUWAKU ネットワーク理事長の栗林知絵子氏と、全国で第一号のコミュニティソーシャルワーカーであり、2014年放映のNHKドラマ「サイレントプア」のモデルとなり同ドラマの監修もされた、豊中市社会福祉協議会 福祉推進室長・勝部麗子氏のお2人が登壇されました。

 

韓国からは、ソウル市蘆原区庁 児童青少年課 児童親和政策チーム長のキム・ジョンハン氏をお招きし、児童青少年のための官学民の協力実践について講演いただきました。また京畿道安山市の本五総合社会福祉館でケース管理センター部長を務めるムン・ミジョン氏からは、2014年におきたセウォル号沈没事故に際し、地域の共同体の危機を克服した実践等をお話しいただきました。

パネルディスカッション
事例発表後は、関西学院大学名誉教授・牧里毎治氏をコーディネーターに迎え、パネルディスカッションが行われました。
牧里氏は、地域共生社会とは、地域まるごと家族になることではないかと提起され、どんな人でも優しい心を持っているということを信じ、それを覆っているベールを少しずつでもはがしていくことが、福祉に携わる者の仕事ではないかと、シンポジウムをまとめられました。


韓国から若手の福祉専門職や大学院生を招聘し、セミナーを開催(2018年11月25日~12月2日)

シンポジウムと併せて、第10回「専門職育成・国際交流セミナー」を実施しました。今回は韓国から、10名の福祉専門職員や社会福祉専攻の大学院生が参加し、関西圏の高齢、障害、児童等の諸分野で先進的な取り組みを行う施設を視察し、現場の実践を学びました。また同志社大学等の教授陣による講義を通し、学術的な面からも日本の社会福祉について理解を深めました。

 
日雇い労働者の求人票について説明を伺う(大阪)

 
高齢者施設の居住スペースを見学(京都)

 
保育園やグループホーム等、児童・母子関係の施設を訪問(兵庫)

 
セミナーを振り返る総括の時間

参加者はこの研修で初めて集まったメンバーでしたが、それぞれの専門分野の知識を持ち寄って、互いに助け合いながら毎日の研修に臨んでいました。
今回のセミナーを通して参加者からは、「利用者中心の福祉実践を肌で感じることができ、今後の実践に役立てていきたい」との声が聞かれました。
また、自分の出身大学にあった韓国の小説家の石碑が同志社大学にもあるのを見て、日韓の深いつながりを感じ、胸が熱くなったと話す参加者もいました。
これからも本セミナーを通して、日本と韓国の福祉の発展と、両国の“こころの交流”に貢献できることを願います。



『障がいのある当事者の社会参加と包摂』をテーマに第15回シンポジウムを開催

2017年11月8日、ソウル市の韓国社会福祉協議会・社会福祉会館にて、第15回“日韓こころの交流”シンポジウムが開催されました。
(主催:公益財団法人ユニベール財団、日韓こころの交流プログラム実行委員会、共催:社会福祉法人こころの家族、社会福祉法人尹鶴子共生財団)

当日はお天気に恵まれ、温かな秋の日差しが降り注ぐなか、会場には福祉関係者や学生、市民の方約300名が来場されました。
シンポジウムは、ユニベール財団の伊藤勲理事長の挨拶で開式。続いて韓国社会福祉協議会の徐相穆(ソ・サンモク)会長より祝辞をいただきました。

本年のテーマは『障がいのある当事者の社会参加と包摂』。
障がいの有無にかかわらず、地域社会の中で就労し、自立した生活を送ることのできる社会のあり方が望まれる現在、社会と障がい当事者の新しい関係性について、基調講演と韓国・日本それぞれの事例発表を通じて、様々な可能性を見出すことを目指しました。

基調講演では、崇實大学校 社会科学大学の金京美(キム・ギョンミ)教授が、「社会的包摂」という概念について整理し、それを実現するため実践レベルで社会福祉士に求められる事柄について講演されました。

 

つづいて事例発表のセッションでは、韓国と日本から、各2名の施設代表方を招き、それぞれの取り組みについて講演いただきました。
韓国からは、ソウル障がい者自立生活センターの朴贊五(パク・チャンオ)代表と、重度障がい者居住施設「月坪ビラ」の朴時賢(パク・シヒョン)施設長、日本からは、特定非営利活動法人こむの事業所の松藤 聖一代表理事と、社会福祉法人素王会 アトリエインカーブの林智樹チーフに、講師として登壇いただきました。

 

つづく総合討論では、翰林大学校の尹賢淑(ユン・ヒョンスク)教授と関西学院大学の牧里毎治名誉教授をコーディネーターに迎え、フロアを交えてパネルディスカッションがおこなわれました。福祉の現場に携わっている参加者の方からは、自分の施設の状況と比較しての発言や、事例発表の講師方が普段の取り組みのなかで気を付けていることについて等、様々な質問やコメントが寄せられました。

※2017年度は諸般の事情から、「専門職育成・国際交流セミナー」は開催されませんでした。2018年度は韓国より大学院生や若手福祉専門職を招き、セミナーをおこないます。