代表者氏名 | 三木 良子(みき りょうこ) |
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代表者所属機関 | 帝京科学大学医療科学部 |
役職・課程 | 准教授 |
助成年度 | 2022年度 |
高齢者や障害のある被疑者被告人への弁護士とソーシャルワーカーの協働モデルの構築
Ⅰ.研究の目的
罪に問われた被疑者・被告人で福祉的支援を必要とする高齢者や障害者に対する弁護士とソーシャルワーカーとの連携が全国で草の根的に実践されているが、クライエントに資する協働モデルは体系化されていない。本研究では、協働モデルの構築と実践的な研修体系やガイドブックを作成することを目的とした。
Ⅱ.研究の方法
①アンケート調査の実施:連携経験のある弁護士(回答13)とソーシャルワーカー(回答26)を対象とした(2023年1月から2月にかけて実施)。②インタビュー調査の実施:弁護士4名、ソーシャルワーカー4名、③協働モデルによるパイロット研修の開催:全国2ケ所で実施
Ⅲ.結果と今後の課題
協働モデルを構築する基礎として、「専門性の担保と尊重」「対等な関係」「コミュニケーションの重要性」「判決後支援への関わり」「本人主体であること」が明らかとなった。そして、必要かつ十分な情報提供と共有、異なる専門性を持った専門職同士の相互理解の深化、チームアプローチ(あるいはHolistic Defense 包括的弁護)による支援体制が協働モデルの重要な要素である。そして、これらは両者の「対話」を通したトレーニングが必要であることも明らかとなった。本研究のパイロット研修の内容は協働モデルを学び、また実践的な協働を習得するものとして開発された。当初予定していたガイドブックの作成までは到達しなかったため今後の早急に取り組む。そして、協働モデルと研修体系が汎化されるための方策を検討していきたい。