代表者氏名 | 羅 珉京(な みんきょん) |
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代表者所属機関 | 長野大学 |
役職・課程 | 准教授 |
助成年度 | 2022年度 |
在留資格「介護」で働く外国人介護人材の職場定着プロセスに関する研究
本研究の目的は、外国人介護人材の活躍・定着支援の観点から在留資格「介護」に焦点を当てて、職場定着プロセスに関連する要因を明らかにすることである。外国人介護人材の職業的役割の獲得、職場で活躍・定着という一連の過程において、定着の促進に関連する要因を明らかにするために、外国人介護人材の当事者のみならず、外国人介護人材と共に働く日本人介護人材と施設長との3者が、外国人介護人材の定着とどのようにかかわるかについて検討し定着プロセスの課題提示を試みた。
外国人介護人材については、介護福祉士養成施設を卒業し、在留資格「介護」で1年以上勤続の職員を対象とし、入職の経緯から現在に至るまでの状況について職場での生活に着目し把握した。日本人介護人材は指導的立場であり職務上において外国人介護人材と最も身近な存在であるリーダー層を対象とした。施設長はトップリーダーとして外国人介護人材とのかかわりや受け入れのための職場環境づくりについての認識および実践について把握した。本研究は社会福祉法人が経営する高齢者介護施設(3法人各2施設)の協力を得て、法人別・職階別にグループインタビューを実施した。
結果、在留資格「介護」で働く外国人介護人材の職場定着に関連する主な要因は、文書作成や電話対応、リスク管理等の介護業務における日本語能力とコミュニケーション力、リーダー職員の指導力、キャリアパスや研修・教育システムの体制であることが明らかになった。本研究から、在留資格「介護」は専門的で技術的分野の外国人介護人材の受け入れを目的としていることから、技能実習や特定技能等の在留資格で来日する介護人材の指導などにおいて、その能力を発揮するための環境整備が急務であることが示された。