研究概要

代表者氏名木村 真理子(きむら まりこ)
代表者所属機関公益社団法人日本精神保健福祉士協会
役職・課程分野別プロジェクト「多文化共生ソーシャルワーク」リーダー
助成年度2022年度

研究テーマ

多文化ソーシャルワークを実践できる精神保健福祉士を中心としたソーシャルワーカーの人材育成と支援ツール開発に関する研究

研究概要

2021年に本協会分野別プロジェクト「多文化共生ソーシャルワーク」(以下、「プロジェクト」)が発足。2021年10月に実施した本協会に所属する全国の精神保健福祉士を対象としたアンケート調査(回答105件)では、在留外国人の支援に関する情報や知識、経験が極端に不足している実態が明らかとなった。

本研究は、日々の業務を通じて精神保健福祉士が直面している課題を、多文化ソーシャルワークによる文化的コンピテンシーの向上という視点から捉え直し、より具体的で効率的なセミナープログラムを開発することを目的としている。そのため、今回の研究過程としては、1)多文化ソーシャルワークの先駆的実践団体への対面でのヒアリング調査から課題や問題点を抽出し、多文化ソーシャルワークを展開するために精神保健福祉士が身につけなければならない知識やスキルを明確にすること、2)精神保健福祉士等を対象としたセミナーを開催し、文化的コンピテンシーを備え、滞日外国人のメンタルヘルス支援ができる人材を育成すること、加えて、3)ICT 技術を活用した支援ツールづくりだ。

本研究を通じて明らかにされたことは、1)日本社会が多文化人口を抱えるに至っている状況に対する組織的対応の必要性、2)多文化ソーシャルワーク実践を行うコンピテンシーを備えたソーシャルワーカーの研修の充実の必要性、3)急速に変化しつつある日本社会における精神保健福祉士に求められる業務に柔軟に対応すべく組織の研修課題を検討する必要性であった。