研究概要

研究テーマ

被災地におけるコミュニティの再編と地域包括ケアを通じた高齢者の孤立化防止に関する研究

研究概要

本研究では、災害公営住宅の「暮らしやすさ」を高齢者がどのように評価しているかを明らかにし、その要因を探るとともに、そのような「暮らしやすさ」がどのようなきっかけで変化していったのかについて、特に災害公営住宅に併設された集会所の利用状況に着目することで、災害公営住宅における高齢者の「暮らしやすさ」を可能とするうえでの集会所の役割について検討した。その結果、災害公営住宅における「暮らしやすさ」は主に社会関係に起因する諸要因に大きく影響されているとともに、そうした「暮らしやすさ」が時間の経過とともに変化する可能性も示された。そしてそうした「暮らしやすさ」の変化の要因の１つとして、災害公営住宅における入居者同士の交流拠点としての集会所の利用が重要であることが明らかとなった。また、集会所は高齢者の介護予防や生活支援の諸活動を通じて実質的に地域包括ケアの一端を担う場としての役割を有していたことも明らかとなった。