代表者氏名 | 長津 結一郎 (ながつ ゆういちろう) |
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代表者所属機関 | 九州大学大学院芸術工学研究院 |
役職・課程 | 助教 |
助成年度 | 2020年度 |
舞台芸術活動に関わる障害者の社会的包摂とその促進手法の可視化
本研究では、重度の言語・身体障害のある人が表現活動に関わるうえで、どのように芸術家とコミュニケーションを取りながら創造活動を行なっているかという点を、相互行為分析とインタビューを通じてミクロな視点から明らかにすることを目指した。分析結果からは、異なる身体どうしが交感し合うような現場や、舞台と客席のあいだで想像力が交差する現場は、まさに障害のある人の日常的実践を可視化し表象していくための、関係性のプロセスであることが指摘できた。これらが既存の社会的包摂や障害学の議論とどのように交差するかを検討し、「「障害が社会の側にある」としたら、一人ひとりが何をどのように諦め、どのように妥協し、納得し続けながら、「障害」のある日常を過ごしているのか?」というミクロな現場に迫る問いに対して、表現の現場で起こっていることを丁寧に分析していくというアプローチで検討していくことの可能性を論じた。