研究概要

研究テーマ

文化・歴史に「触れて」伝える遠隔学校による高齢者の生きがい創出

研究概要

本研究では，高齢者が生きがいを持って暮らせる社会の実現を目指し，高齢者が日本の文化や歴史を若者に対して「触れて」伝える遠隔学校を提案した．従来の視覚・聴覚情報を伝えるビデオ電話に加え触感情報を伝送するデバイスを用いることで，対面コミュニケーションにより近い状況が実現され，遠隔学校の対話の質が向上すると期待できる．
本研究ではまず，触感伝送デバイスの伝達し得る情報と使いやすさに関する性能評価を実施した．本研究で実装した触感伝送デバイスでは，振動と温度の同時伝送において精度に課題が残るものの，触感伝送によりいくつかの試料の素材感を伝えうること，また厚みや柔軟性のある試料は素材感を伝えにくいことを明らかにした．次に触感伝送デバイスを用いた歴史・文化の遠隔学校における有効性の実証評価として，高齢者を対象とした振動伝送体験を実施し，対話の質が向上することを確認した．