研究概要

代表者氏名李 婭婭(り ああ)
代表者所属機関大阪大学医学研究科
役職・課程博士後期課程
助成年度2020年度

研究テーマ

地域在住高齢者におけるICT活用によるフレイル予防を目指した地域支援モデル構築の検討~新型コロナウィルス感染拡大を踏まえた新たな対策にむけて~

研究概要

本研究は地域在住高齢者のICT利用の実態の把握、およびICT利用と健康関連指標との関連を検討することにより、コロナ禍の新しい生活様式の中におけるICT活用を通じた高齢者の介護予防対策を提言することを目的とした。大阪府T町在住の65歳以上高齢者1800名を対象に郵送無記名質問紙調査を行った。調査項目は基本属性、健康関連尺度、ICT利用状況とした。回収率は72%であった。ICT利用者は69%であり、非利用者には後期高齢者と女性が多く認められた。ICTを利用しない理由として、最も多かったのは「使い方を知らないから(16.8%)」次いで「特に使う必要がないから(15.1%)」であった。ICT利用と健康状態の関連については、非利用者は利用者と比べて、孤独感が高く、物忘れが悪化した自覚があり、フレイルに該当する者が有意に多かった。因果関係は明らかではないが、新型コロナウィルス感染症といった健康危機においては、ICT活用が高齢者の健康維持において重要であることが示唆された。