研究概要

代表者氏名上土井 貴子
(じょうどい たかこ)
代表者所属機関熊本大学病院
役職・課程医員
助成年度2020年度

研究テーマ

新型コロナウィルス感染症対策による子どもの生活環境変化に伴う不定愁訴の心理生理学的評価研究

研究概要

 本研究では、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)拡大予防対策としての休校措置や学校や家庭での活動制限等の生活環境の変化を起因とする、小児思春期の児童生徒の慢性疲労等の不定愁訴と関連する生活習慣因子を主に検討した。
 熊本県、鹿児島県および大阪府内の小学校4年生~中学校3年生を対象に、1,423名の票質問票調査データを収集し、COVID-19前に取得した2,291名のデータとの比較解析を行った。その結果、疲労症状には睡眠時間、運動頻度、ゲーム使用時間およびCOVID-19に対する恐怖・不安が関連していることを明らかにした。
 これらの結果は、慢性疲労の軽減のために自宅、家庭でも運動や身体活動を高めるための方策、コロナ禍におけるゲーム使用頻度・時間の家庭内ルール再設定の必要性および保護者や教職員などを中心としたCOVID-19に対する子どもの生活上の悩み等を拾い上げる体制の構築も重要であることを示唆する。本研究結果を基にした介入・対策について、教育現場とも継続して議論していきたいと考えている。