研究概要

研究テーマ

多文化社会における地域防災の研究――外国人住民参加の視点から地域防災ありようを問い直す

研究概要

本研究は、多文化化が進展する日本社会における地域防災のありようを問い直すことを目的としています。その背景として、さまざまな言語・文化的背景をもつ外国人の増加・定住化があります。また、日本は自然災害が多い国であり、とりわけ近年は地震災害だけではなく、風水害も頻発化・激甚化傾向にあります。日本は「多文化社会」であるという前提に立った災害対策が求められます。そのような社会的背景から、全国の自治体では外国人住民を対象とする防災施策が実施されていますが、外国人住民が日本人と同じ地域住民として地域防災に参加するための取り組みは乏しいのが現状です。そこで本研究では、これまで日本で発生した自然災害を経験した外国人住民への聴き取りを通じて、多文化社会の地域防災に求められる視点を探るとともに、日本人と外国人のリスクコミュニケーションを促進するためのワークショップ教材の開発を検討し、外国人の自立・自助と地域社会の共助に参画するための具体的な方策について考察します。