研究概要

研究テーマ

「農」を用いた地域支援事業・支援マニュアルの作成

研究概要

本研究の目的は、認知症とともに生きる人を対象とした「農」を用いたプログラムのプロトコルを開発し、自治体の地域支援事業や実践者の支援活動に資するマニュアルを作成することである。新潟県上越市で認知症や精神疾患をもつ人を対象に実施されている稲作ケアプログラムや新潟県湯沢町で認知症支援事業として始まった農園、東京都板橋区で社会福祉協議会とNPO法人と連携してDementia-friendly farms（認知症にやさしい農園）の展開を試みた事例を抽出し、関係者にアンケート調査と半構造化面接を行った。農と福祉を融合したケアの成立要因を分析した結果、共通してみられた要因は、参加者と支援者のどちらも事業の効果に言及していること、また、事業を立ち上げる際に活動場所や人材などの地域資源を把握したキーパーソンの存在があったこと、活動の内容が認知症の人や精神疾患の人に馴染みのある活動であること、住民参加型で仲間づくりの効果があることなどが明らかになった。