研究概要

代表者氏名的場 由木(まとば ゆき)
代表者所属機関東京都立大学(旧首都大学東京)
人間健康科学研究科
役職・課程博士後期課程
助成年度2019年度

研究テーマ

都市部で居住・生活支援を利用する低所得中高年者の健康状態と居所の転帰に関連する要因

研究概要

目的:都市部で居住・生活支援を利用する低所得中高年者の健康状態と居所の転帰に関連する要因を明らかにすること.
方法:生活困窮者を支援するNPO法人の利用状況に関する記録資料を用いた後ろ向きコホート研究を実施した.分析対象者の年齢は50歳以上とした.
結果:訪問事業利用者(814人)は,中年者も高齢者と同様の健康問題を抱えている人が多く,宿泊施設利用者(1503人)は,8割以上が何らかの疾患を有し,一人暮らしが困難な健康状態であることが示された.宿泊施設利用者のうち,「服薬サポートニーズ」のある対象者は,ない対象者よりも1.49倍,「食事サポートニーズ」のある対象者は,ない対象者よりも1.77倍,入所後1年以内に入院退所となりやすいことが示唆された.
結論:安定した住まいを持たない低所得の中高年者が,最期まで住み慣れた地域での生活を継続できるようにするための恒久的な支援付き住まいの整備と保健医療職と支援員等の連携体制が必要である.