代表者氏名 | 永田 夏来(ながた なつき) |
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代表者所属機関 | 兵庫教育大学大学院 |
役職・課程 | 准教授 |
助成年度 | 2018年度 |
若者を中心にした「共同保育」にみる新しい協働的子育ての実態
本研究における「共同保育」とは、親が第一の保護者でありつつも、血縁関係にない他者 (保育人) による無償の手助けを取り入れながら行われる子育てと定義される。現在行われている「共同保育」について同居/非同居、参加している保育人の多様性/均一性に着目して類型化し、 ネットワークの特徴が保育とどのように関わっているのかを明らかにしていくことが本研究の目的である。今回は具体的な実践に注目し、関東/関西における「共同保育」の実態について、2019年から2020年にかけて16事例について22名を対象に調査を行った。
事例の分析から、自助の延長で作られた互助的なネットワークがやがて地域との結びを獲得し、多様性のあるコミュニティへ変貌する過程が把握できた。それは人間関係の広がりだけでなく、参加する母親自身の変化や成長を促すものでもある。また、非血縁者による日常的な保育のうち、独身の男性が保育を担当するケースが複数見られた。現代の共同子育てはヒトが進化的に営んできた共同子育てに比べて、より多様な保育人のリクルートを実現した点に特徴があると言える。