研究概要

研究テーマ

高度人材ポイント制を利用した中国人移住者と家族の来日経緯と社会的ネットワーク

研究概要

　本研究は高度人材ポイント制を利用した中国人移住者と家族を対象に、彼らの来日経緯や来日後の生活適応に影響を与える要因について調査した。質問紙調査によって、中国籍高度人材に3つのグループに分け、一つ目は博士学位を有し日本で高度専門職に就いた留学生で、二つ目は日本で留学を終え、中国に戻りキャリアを積んだ後に高度専門職で来日した人々で、三つ目は中国の大学を卒業後、中国の会社で働き高度な専門知識と労働経験を積み、来日した人々である。聞き取り調査によってグループごとに社会的ネットワークの形成と利用状況において差異が見られた。一つ目と二つ目のグループは、日本留学経験を活かし、順調に社会的ネットワークを持っているのに対し、三つ目のグループは日本語能力試験に合格したものの、実際の仕事や生活場面に使える日本語力はまだ不十分で、日本の会社文化に慣れるのに苦労し、家族の方も同じように適応の問題に直面している。今後日本留学経験がない高度人材移住者と彼らの家族に一定期間日本語学習の支援を継続する必要があることを提案する。