研究概要

代表者氏名張 平平(ちょう へいへい)
代表者所属機関埼玉県立大学 
保健医療福祉学部看護学科
役職・課程准教授
助成年度2018年度

研究テーマ

脳卒中高齢者の在宅療養生活が継続できる家族介護力の特徴に関する日中比較研究

研究概要

 本研究は、日本と中国における脳卒中高齢者の在宅療養生活が継続できる家族介護力の維持と向上に向けた在宅療養支援を考える際の示唆を得ることを目的とし、埼玉県A市と内蒙古自治区B市で無記名自記式アンケート調査を実施した。日本側では61名の対象者からの回答が、中国側では107名の対象者からの回答が得られた。今回の調査結果から、脳卒中高齢者を在宅で介護する日本側の老々介護の状況が伺えた。まず、日本側対象者の平均年齢は67.52歳であること、それに、対象者が介護する家族の平均年齢が74.69歳であること、さらに、対象者が介護する家族の続柄では、49.2%の割合を占めた配偶者が最も多いことから、世界初の超高齢社会に突入した日本の老々介護の状況が反映されているといえる。また、脳卒中高齢者を在宅で介護する中国側の子女からの介護の状況が伺えた。中国側対象者の平均年齢が45.43歳であり、介護する家族の続柄では、「自身の両親」(81名(75.7%))と「義理の両親」(19名(17.8%))を介護するものが計100名(93.5%)で最も多かった。なお、介護負担感については、日本側が有意に高く、自己効力感については、中国側が有意に高かった。