代表者氏名 | 村橋 功(むらはし いさお) |
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代表者所属機関 | 桃山学院大学 社会学部社会福祉学科 |
役職・課程 | 准教授 |
助成年度 | 2018年度 |
全国の特別養護老人ホームにおける介護主任の実態調査及びリーダーシップ特性に関する研究
1、研究目的
本研究では,介護主任がよりよいリーダーシップが発揮できる環境を探るため,既存の尺度(リーダーシップ・パワー(以下LP):地位勢力(強制勢力,報酬勢力,正当勢力),個人勢力(準拠勢力,専門勢力))を用いて介護主任のリーダーシップの影響力を測定し,高い影響力を規定する要因を職場環境に関する既存の尺度(ワークシチュエーション(以下WS):人的側面3領域(ビジョン・経営,上司やリーダー,同僚や利用者との関係),職務内容1領域(職務),職務環境2領域(処遇・報酬,能力開発・福利厚生・生活サポート))から探索することを目的とした.
2、研究方法
全国47都道府県ホームページの特別養護老人ホーム一覧から,2000施設を等価無作為抽出.施設長を通して介護主任2000名に質問紙調査を依頼し,本研究の対象とした.①WS尺度を用いて介護主任の感じる職場環境を測定②LP尺度を測定した.③「①」「②」をあらためて因子分析し調査実態に即した検証をした.④あらたに得られたWS尺度によって介護主任をWard法によるクラスタ分析をし,分類された3群の特徴をLP尺度から明らかにした.⑤3群をLPがすべて高いLP高位群とそれ以外の2群に分類しなおし,変数増加法:尤度比(ステップワイズ法)で二項ロジスティック回帰分析を行いLP高位群の規定要因を探索した.
3、研究結果
二項ロジスティック回帰分析の結果,①年収(高位),②WS職務の自律性,③WS職務の責任がリーダーとしての影響力が高いと考えられるLP高位群に対して有意に影響を与えていた.