研究概要

代表者氏名竹中 祐二(たけなか ゆうじ)
代表者所属機関北陸学院大学人間総合学部社会学科
役職・課程講師
助成年度2017年度

研究テーマ

犯罪・非行からの立ち直り支援にボランティアが関わることの意義をめぐる多面的検討

研究概要

本研究は、日本の刑事政策において近年重要課題として位置付けられている、「更生保護」に焦点を当てるものである。本研究では、先行研究の課題を踏まえ、「自発性」の論理に依存しない、ボランティアが更生保護に関わることの意義を再検討することを目的とした。初めに、更生保護ボランティアとして活動してきた代表的な各主体の取り組みを比較した結果、更生保護ボランティアは、更生保護が飽くまで公的責任の下に行われるが故に、そもそも更生保護行政の影響を受けざるを得ないことが、対象者との関わり方には大きなバリエーションがあり、実践活動の幅に広がりを持たせられる点に強みがあることも確認された。続いて、本質論的に、更生保護とは何か、ボランティアとは何かという問いに対して、先行研究の批判的検討を行った結果、従来の議論を乗り越えて社会的責任を説明すると同時に、自らの立場性を再考する契機ともなり得る理念型を提示した。