研究概要

代表者氏名齋藤 弓子(さいとう ゆみこ)
代表者所属機関東京大学大学院医学系研究科
健康科学・看護学専攻
役職・課程博士課程
助成年度2017年度

研究テーマ

長期療養施設の看護・介護職員への事例検討会を用いた教育システムの効果

研究概要

 超高齢化の時代を迎えた本邦では、加齢により疾病や障害を抱えた高齢者が住み慣れた地域で生活を継続するため地域包括ケアシステムの構築が推進され、在宅ケアを支える長期療養施設におけるケアの質の保証が課題となっている。海外の先行研究では、ケアスタッフである看護・介護職のQOLが提供するケアの質に関連することが報告されている。
 そこで本研究では、長期療養施設のうち、医療保険制度の適応病床である療養病床における高齢者へのケアの質向上の取り組みとして、看護・介護職のバーンアウトとワークエンゲージメントといったQOLを改善することを目的に、個別の高齢患者へのケア実践を振り返る事例検討会を用いた教育システムを開発し、その効果を、非ランダム化並行群間比較試験により検討した。その結果、介入群と対照群の比較において介入終了後のバーンアウトの得点には違いは認められなかったが、ワークエンゲージメントの得点については介入群に良好な効果が認められた。