研究概要

代表者氏名朝倉 京子(あさくら きょうこ)
代表者所属機関東北大学大学院医学系研究科保健学専攻
役職・課程教授
助成年度2017年度

研究テーマ

介護施設で働く看護職の専門性と多職種連携に関する実態調査―医療・介護一体型の改革を実現する教育研修センター設置を目指して―

研究概要

 本研究の目的は、介護施設に勤務する看護職を対象とし、彼らの専門性の発揮、多職種連携の実態を、質的帰納的並びに演繹的な両側面から明らかにすることである。予備調査は、宮城県に所在する介護施設に勤務する看護職を対象に、半構成的面接を実施した。予備調査の結果、看護職の専門性として「医師のいない環境での医療的判断や処置」「医療行為に関する裁量の発揮」「医療現場とは異なる価値の徹底」「多職種・家族との連携・指導と関係構築」「利用者中心でのケア」などの領域が明らかになった。本調査は、東北地方並びに関東甲信越地方の介護施設を無作為抽出し、そこに勤務する看護職2,400名を対象として無記名自記式質問紙調査を実施した。その結果、介護施設で働く看護職の心理社会的労働環境(蓄積疲労と精神健康)の平均点は、病院に勤務する看護職よりも低く状態が良好であることが示された。介護施設に勤務する看護職の専門職性の平均値は、病院の看護職と比べて、自律性は同等であるが分布に差があること、存続的/規範的職業コミットメントは介護施設の看護職のほうが得点が高いことが明らかになった。