研究概要

代表者氏名齋藤 崇志(さいとう たかし)
代表者所属機関桜美林大学大学院 老年学研究科
役職・課程博士後期課程
助成年度2015年度

研究テーマ

基本的日常生活活動動作の自立度と困難感を評価する新たな指標の予測妥当性の検討

研究概要

【目的】Functional Independence and Difficulty Scale(FIDS)は、基本的日常生活活動(BADL)能力を「自立度」と「困難感」の両面から評価する新たな指標である。先行研究において、FIDSの信頼性と基準関連妥当性が報告されている。しかしながら、FIDSが将来の健康問題の発生を予測し得るか、すなわち、FIDSの予測妥当性は検証されていない。本研究の目的は、FIDSの予測妥当性を検証することである。
【対象者と方法】研究デザインは、縦断研究である。ベースライン調査と24か月後の追跡調査に参加し、データに不備がない140名(平均年齢75.1歳、女性が60%)を解析対象とした。予測妥当性の検証における将来の健康問題は、「手段的日常生活活動(IADL)能力の低下」と「2回以上の転倒」と定義した。
【結果】追跡調査において、IADL能力が低下した者が15名、転倒経験を有していた者が14名であった。ベースライン調査におけるFIDSのスコアは、将来の「IADL能力低下」と「転倒経験」に対して有意に関連していた。
【結論】
FIDSは、IADL能力低下と転倒に対する予測妥当性を有す指標である。