研究概要

代表者氏名寺本 千恵(てらもと ちえ)
代表者所属機関東京大学大学院医学系研究科
役職・課程博士課程
助成年度2015年度

研究テーマ

救急外来を受診して帰宅する高齢者の帰宅後30日以内の救急再受診と入院リスク要因の検討

研究概要

 本研究は、救急外来の受診後に帰宅した高齢者が、帰宅後30日以内に救急外来を再受診した実態とその関連要因を明らかにすることを目的とした。
 平成25年1月~12月の首都圏1施設の救急外来を受診し帰宅した65歳以上の患者を対象とし後ろ向きのカルテレビューを行った。分析方法は、初回受診後の帰宅後30日以内に救急外来への再受診の有無の割合を算出し、再受診を従属変数とした多重ロジスティック回帰分析を行った。
 平成25年1年間のうち救急外来受診後に帰宅した高齢者は2,499名であり、そのうち277名(11.1%)が救急外来受診後30日以内に再受診した。再受診の関連要因は、対象病院への受診歴がある、初回の受診時の主訴が発熱や医療機器の問題等の一般問題である、既往に固形がんがあるという特徴であった。
 救急外来初回時に、リスク要因の情報を把握した上で、これらの患者への帰宅前の患者指導の強化や、一般外来・地域の医療従事者との情報提供、継続的な支援が必要である。