研究概要

代表者氏名渡邊 絹子(わたなべ きぬこ)
代表者所属機関筑波大学
役職・課程准教授
助成年度2015年度

研究テーマ

遺族年金のあり方をめぐる国際比較

研究概要

 本研究は、諸外国(スウェーデン、ドイツ、フランス)の遺族年金制度を比較検討し、制度を支える様々な理念を浮き彫りにすることで、日本の遺族年金の今後のあり方を検討する上での手がかりを得ることを目的とする。本研究による諸外国の比較分析により、遺族年金の目的・理念は、伝統的には被保険者を失った遺族配偶者(とりわけ妻)の長期的生活保障として捉えられてきたが、社会の変容とともに、配偶者の死亡によって誰もが被る一時的な経済的変動に対応するものとして捉える考え方(スウェーデン)や、被保険者の老齢年金受給権構築における配偶者の貢献・寄与の結果として遺族年金を捉え、老齢年金との連続性を強く持つ制度として構築する考え方(ドイツ・フランス)といった多様な方向性が示されるようになってきたことが明らかとなった。