研究概要

代表者氏名釜床 美也子(かまとこ みやこ)
代表者所属機関香川大学工学部安全システム建設工学科
役職・課程助教
助成年度2014年度

研究テーマ

茅を用いた持続可能な社会と新たなコミュニティ形成を推進する生涯学習教材の開発と実践—四国のススキ・小麦藁を用いた伝統民家の生産工程を通して—

研究概要

本研究は、農村で行われてきた伝統的な建築生産を、広く都市部の関心のある様々な世代に開き、農村住民と都市住民が広域で連携して共同作業を行うことで新しい相互扶助のコミュニティ形成を目指した実践的研究である。伝統建築の持続可能な建築資源を用いた技術の体験や習得は都市住民には魅力であるとの仮説に基づき、既往研究の少ない茅利用に関する独自の調査を踏まえて、茅を用いた持続可能な社会と新たなコミュニティ形成を推進する生涯学習教材の開発と実践を行った。技術の記録に関しては、 地域に産する材料に応じた様々な技術が確認された。 一方、 生涯学習講座の感想では茅刈りという単純な作業でも技術的に難しいと感じることも確認された。そのため、一般の人が生涯学習講座のみで茅葺きに関連する一連の職人技術を短期間で習得、継承するのは難しいことが分かった。しかし、 参加した感想を見ると、体験自体は面白く、交流や団結を促す行事としての評価は高いという結果が得られたため、多世代交流や地域の結束を促す行事という点での位置づけには可能性を見出せると思われる。