研究概要

代表者氏名森 浩美(もり ひろみ)
代表者所属機関旭川医科大学医学部看護学科
役職・課程准教授
助成年度2014年度

研究テーマ

入院して計画手術を受ける子どもと親の心を支える看護支援プログラムの作成

研究概要

 近年の入院期間の短縮化に伴い、短期入院で手術を受ける子ども(以下、子ども)は増加している。その場合、子どもは環境に慣れる前に手術を受けて退院することもあり、心的負担は大きいと推察する。本研究の目的は、子どもの入院・手術に関する思いを明らかにし、看護への示唆を得ることである。
 研究の第一段階として2014年7~10月に子ども13名に調査を実施した。対象者は男性7名、女性6名、年齢は6~13歳で平均9.6歳であった。疾患は膀胱尿管逆流症、口蓋裂、斜視、口蓋扁桃肥大症などであり、入院期間は3~24日間で平均8.7日間、手術回数は1回目9名、2回目2名、3回目2名であった。第一段階では対象者にバラツキがあったため、第二段階として対象者を小学生、入院期間は1週間前後として、2015年3~8月に調査を実施した。第一・二段階のデータを質的記述的に分析した結果、看護として、①子どもと共に子どもの不満や不安、心配事を解決する、②子ども自身が自分は頑張ったと自己評価できるように関わり、入院手術が辛いだけの体験とならないようにすることの重要性が示唆された。
 次に、研究の第三・四段階として、看護のあり方を詳細に記述するために、入院して計画手術を受ける子どもを看護する外来看護師と病棟看護師への調査を2015年7~10月に行った。その結果を質的記述的に分析した結果、近年の短期入院による手術をカバーするために、外来看護師と病棟看護師の連携・協働の重要性が示唆された。