研究概要

代表者氏名大夛賀 政昭(おおたが まさあき)
代表者所属機関国立保健医療科学院
役職・課程研究員
助成年度2014年度

研究テーマ

地域包括ケア体制下における地方自治体によるケアの質評価のあり方の検討

研究概要

 本研究は、現在の社会保障改革下において、保健・医療・福祉領域において、地域包括ケアシステムの構築が推進されている状況と介護福祉領域における各種サービス提供基盤の整備および指導監督に係わる権限が県から特別市、そして一般市へと降りてきている状況を踏まえ、地方自治体が持つべきケアの質評価体制の在り方を国内外の質評価に係わる先行研究のレビューあるいはケア実態を示すデータの分析から検討することを目的とした。
 国内外の文献研究の結果、質評価の取り組みとして、システム/提供者主導の提供主体別、取り組みのレベルとしてはシステム、組織、専門職、利用者の4つのレベルがあることを示した。
 また、地域におけるケアの質評価のあり方を検討するために、アウトカム評価の枠組みとケアと行政の関係性について考察を行った。
 さらに、地方自治体が今後質評価の取り組みで活用するための質評価の方法論と基準を提示するため、国内の法整理からわが国における質評価の取り組みを整理すると共に、タイムスタディデータ分析から4つのサービス提供時間から頻出するケア項目を抽出し、ケアの評価の視点の案を提示した。
 これらの研究の結果、QOLの評価の充実、在宅ケアの基準の設定、ケアの調整の評価手法の確立については今後の課題であり、地方自治体によるケアの質評価の充実に向けては、本研究の成果をさらに精査し、地方自治体のための研修ツールの開発が喫緊の課題であることが明らかになった。