研究概要

代表者氏名馬場 幸子(ばんば さちこ)
代表者所属機関東京学芸大学
役職・課程准教授
助成年度2014年度

研究テーマ

児童養護施設における児童の社会的自立に向けたソーシャルワーク実践に関する研究

研究概要

 筆者らは東京都自立支援強化事業の取り組みを経年的に追跡研究している。本研究報告では、事業3年目の終盤から4年目中盤にかけて行ったフィールドリサーチを基に、事業開始年度からの取り組みや職員の意識の変化、成果や課題を、「つながり」の重要性に焦点を当てて報告する。自立支援コーディネーターが参加する会合での参与観察および19施設での個別インタビューを主要データとして用いた。自立支援コーディネーターが外部団体の情報を得たり、コーディネーター同士が交流・協働したりすることで、子どもたちが施設外のイベントやインターンに参加したり、学習支援を受けたり、奨学金を得て進学する機会などが増えた。本研究では、支援者同士が「つながる」ことと支援者が社会資源と子どもを「つなげる」ことが、児童養護施設における児童の社会的自立に向けたソーシャルワーク実践過程の中で、欠くことのできない、極めて重要な行為であるということが浮き彫りとなった。