研究概要

代表者氏名森田 直子(もりた なおこ)
代表者所属機関中部学院大学人間福祉学部人間福祉学科
役職・課程准教授
助成年度2012年度

研究テーマ

東アジア(日本、韓国、台湾)の高齢者ケアに従事する人のケア観と人材育成に関する比較研究

研究概要

 高齢者ケアのシステム整備、特に介護専門職の量と質の確保は東アジア共通の課題となっている。さらに今後は国を超えて介護人材が流動する可能性もありうる。ついてはグローバルな介護人材育成に備えるために、まずは各国の介護および介護専門職の概念の理解を深めることが必要と考えた。そこで、今回の研究では韓国、台湾での人材育成の現状と具体的な質(スキル)の課題を明らかにすることを目的とし、各国2施設ずつ、介護施設の管理者から聞き取り調査を実施した。韓国ではケアマネジメント力の向上が課題であり、日本と共通の課題であると捉えた。台湾では基礎的な身体ケア技術の向上が挙げられた。養成時間が90時間と短いことに加え、台湾では「介護」の概念が日本よりも身体介護に比重が置かれている可能性がうかがわれた。しかし調査対象が非常に限局的であるため、さらに調査対象を増やすことと、隣接の領域の看護やソーシャルワーカーの位置づけ・役割の把握もとおして、介護の全体像を捉えることを今後の課題とした。