ハワイ・ソーシャルワーク・セミナー 
少子高齢社会を支えるソーシャルワーカーの育成をめざして

多文化環境における福祉に関する学術研究と実践で、高い評価を受けているハワイ大学MBTソーシャルワーク学部と提携して、毎年約2週間の『ハワイ・ソーシャルワーク・セミナー』を開催しています。

セミナーでは、ソーシャルワーカーをめざす大学院生・大学生約20名をハワイに派遣します。ハワイ大学MBTソーシャルワーク学部などの講師によるレクチャー、ディスカッション、小グループでのエクササイズや施設・病院などの視察を通して、現地のソーシャルワークの全体像を学びます。

日本の福祉現場では、インドネシア、フィリピン、ベトナムからの看護師・介護士候補生の受け入れが実施されています。こうした状況下、多種多様な民族が共存しているハワイにおいて、様々な職種の人たちが伝統の「アロハ精神」を基に、融和・協調のうちに福祉を実践する現場を見聞することは、ソーシャルワーカーをめざす学生にとって貴重な経験になると期待します。

募集要項・参加申込書のダウンロード

※2016年度の応募受付は終了しました。

セミナー・レポート

2016年度

第14回ハワイ・ソーシャルワーク・セミナー

 

2017年2月18日、公募選考された大学生・大学院生20名が、ハワイへと出発しました。
彼らは、全国各地の大学で社会福祉を学び、卒業後は、病院や高齢者・児童・障害者等の福祉施設で働くことを目指している学生たちです。

ハワイ・ソーシャルワーク・セミナーでは、福祉に対する理解を深めることはもちろん、現地の方々との交流を通じて、”アロハ精神”というハワイ独自の文化から福祉の心を学び、将来の実践に活かしていくことを目的としています。

プログラムは、ハワイ大学の先生方による講義や、福祉施設の訪問を中心に構成されており、訪問先ではソーシャルワーカーの方が業務について詳しくお話しくださったり、利用者と交流したりと、現場に入り込むことができます。また野外での作業やフラ・レッスンなど、ハワイの伝統文化を体験し、より深く学ぶ機会も用意されています。

小児病院を訪問


セミナー初日、講師の先生は、「自分から何かを与えていくことで、色々な気づきを得て、成長することができます。セミナーを通して自分自身を変えていってください」と参加者たちにお話しされ、2週間のセミナーがスタートしました。

災害時の支援についての講義

その日の午後には、『自己を知る』という講義を受けました。自分を知るためにおこなったエクササイズは、他の参加者と情報交換し相手を知ること。「相手のことを知ることは、実は、自分自身を知ることでした」と、参加者は気づきを語っていました。
ソーシャルワークは、生活上の困難を抱えている人や、社会的に孤立している人を支援し、問題解決をはかる実践です。「人を支援する上では、自分自身をよく知っていることが大切です」と先生方は話していました。

タロイモを使った伝統料理、ポイの作り方を学ぶ参加者たち

翌日、参加者たちはオアフ島北部の丘陵地帯にあるタロイモ農家を訪れました。「足についた泥も先祖から伝わる大地の恵みということを知り、全てのものを大切にすることを教わりました」との声が聞かれ、命の連鎖や自然に対する感謝を、改めて実感する機会となったようです。周りの多くの命に対する感謝の心は、やがて専門職としてキャリアを重ねていく上で活かされることでしょう。

ハワイ大学でおこなわれた講義で発表する参加者たち

別の日には、『死に直面する人へのケア』という講義を受けました。先生は、「支援する側は話を聴くことが多いですが、体験を打ち明けるということは、とても勇気のいることだということを知ってください」と話され、相手と同じ立場に立つことの大切さを教えていただきました。

施設見学では、障害者が自立して生活する施設や、女性コミュニティ更生センター(女性専用刑務所)、ホームレス支援施設やホスピス、小児病院等を訪れ、現場の専門職の方からお話を伺いました。

ホームレスのシェルターを訪問

ホームレスのシェルターを訪れた際、スタッフの方が「ホームレスの人たちがここに来てくれて、自分を成長させてくれている。ありがたい」と話されました。参加者はこれまでに聞いたことの無いその考え方を、驚きを持って受け止め、「ホームレスを迷惑に思う人は多い。先入観にとらわれずに、色々な角度から物事を見て、学んでいきたいです」と、気持ちを新たにしていました。

学習の面ではさらに、ハワイ大学に通う日本人学生および卒業生によって構成される「メンター」によるサポートがあります。自分が考えたこと、感じたことを相手に伝え、メンターや他の参加者たちの意見を聞く貴重な機会に、参加者たちは毎回楽しそうに臨んでいました。

参加者の皆さんは、新しく学ぶことを素直に受け入れ、参加者同士、相手の良いところを見ていこうという前向きな姿勢で、2週間のセミナーを過ごされていました。多くの方の温かな心に接し、ハワイのアロハ精神の意味をそれぞれに感じられたように見えました。セミナーでの学びを活かして、これから様々な場所で活躍していかれることを願います。

笑顔の参加者たち


アルバム

写真をクリックすると、拡大表示されます。

講義の様子

ハワイ大学講師による講義1

ハワイ大学講師による講義2


講義風景1

講義風景2

ハワイ大学の学生と交流


伝統文化を活かした福祉プログラムを実施する施設

農業を用いたプログラムを行う施設

大学での講義


タロイモ畑での農作業

集合写真

ホームレス支援施設の見学

書籍のご紹介

book13.png

アロハ・スピリットを体験する旅
ハワイ・ソーシャルワーク・セミナー体験談

これまでの修了生を対象にフォローアップ・セミナーを開催。
そこで共有された体験や意見を書籍『アロハ・スピリットを体験する旅』にまとめ、ダイヤモンド社から発行しました。