研究概要

代表者氏名宮下 聖史(みやした せいし)
代表者所属機関立命館大学共通教育推進機構
役職・課程講師
助成年度2016年度

研究テーマ

地域おこし協力隊のキャリア形成と新しい地域コミュニティづくり―長野県地域おこし協力隊員と自治体担当者へのアンケート調査から―

研究概要

本研究の目的は、農山村の活性化や移住・定住推進策として注目されている地域おこし協力隊を対象として、地域の活性化や問題解決に取り組む”ソーシャルな働き方”に取り組むことによって移住・定住が実現されることの条件と方策を探ることである。厳しい雇用条件にも関わらず、地域おこし協力隊員は増加の一途を辿っている。長野県で活動する協力隊員調査の結果、全体的に満足度は高く、「自然志向」「地域問題の解決」「やりたい仕事に就く」という意向があることが明らかになった。そのうえで隊員の活動・仕事の満足度には、役場との関係性が重要なポイントとなる。”ソーシャルな働き方”を通じて定住を実現するためには地域内外の多様な主体との「協働」が不可欠である。そのなかで本報告書では、協力隊員を受け入れる長野県内の自治体担当者へのアンケートにより、受け入れの経緯や課題を明らかとした。協力隊制度自体は受け入れ自治体に広い裁量が与えられており、どのような活動を行うのかは自治体次第である。自由度が高いことは功罪両側面ある。受け入れ側には「求めるべき人材像」の明確化と柔軟性、そしてビジョンの内実が問われることになる。