研究概要

代表者氏名山本 香織(やまもと かおり)
代表者所属機関同志社大学大学院
役職・課程博士課程(後期)
助成年度2015年度

研究テーマ

地域包括ケアシステム形成にむけた実践モデルの開発―小地域に焦点をあてて―

研究概要

 本研究の目的は、「地域包括ケアシステム」の実体化に不可欠な小地域圏域の実践を探ることである。研究Ⅰでは、小地域の実践や市や市社会福祉協議会による支援体制を探るため、先進地3市の行政・専門職・住民を対象に質的調査を行った。結果、市や市社会福祉協議会による住民組織の再編と地域福祉実践に直接の関係はないことがわかった。一方、外的要因による変化を住民組織内にうまくとりこむための「縦」と「横」の住民のリーダーシップがみられた。研究Ⅱでは、小地域圏域における地域包括ケアの中核となる小地域福祉実践の一端を探り、そのマネジメント体制を明らかにするため、自治会圏域で実践をしている住民を対象に質的調査を行った。結果、3つの大カテゴリー、5つの小カテゴリー、25のコードを抽出できた。地縁関係が薄い自治会では実践を通した「社会関係的自立」によって、生活の基盤となるつながりが作られ、他の地域自立生活支援の要件を促進する意味があると考えられる。