研究概要

代表者氏名豊島 彩(とよしま あや)
代表者所属機関大阪大学大学院人間科学研究科
役職・課程博士後期課程
助成年度2013年度

研究テーマ

高齢視覚障害者の孤独とその適応過程―理論モデルの構築と心理的支援の提案―

研究概要

 本研究は、高齢の視覚障害者が、施設入居にともない在宅生活からの環境の変化により活動範囲が狭くなる状況で、施設生活に適応する過程を検討し、高齢になった視覚障害者に対する心理的支援を提案することを目的とした。盲養護老人福祉施設の入居者19名を対象に半構造化面接および聞き取りによる質問紙調査を行った。面接では、入居前・入居直後・現在に至るまでを時系列順に振り返ってもらい、調査者は印象に残った出来事について尋ねた。現在の状態について対象者をグループとしてまとめた結果、“活動的適応群”、“非活動的適応群”、“依存群”、“孤立群”の4つに分類された。4群の結果を統合して、高齢の視覚障害者の施設生活での適応過程に関連する要因として、入居前に施設での生活を意識していたかどうか、一人で過ごす時間を重視し自身のプライバシーを保つ傾向があるか、入居後の家族関係の変化、他の視覚障害者に対する認識の4つが挙げられた。