研究概要

代表者氏名畠中 香織(はたなか かおり)
代表者所属機関岡山大学大学院社会文化科学研究科
役職・課程博士後期課程
助成年度2013年度

研究テーマ

在日外国人介護労働者と日本人スタッフにおける協働文化の創出と異文化間ケアの実践

研究概要

 日本の看護・介護現場に就労する外国人ケア労働者(57名)と日本人スタッフ(144名)、及び外国人からケアを受ける高齢者(60名)と、受けない高齢者(25名)を対象に質問紙調査を実施した。研究1では、外国人と日本人の協働文化の実態を明らかにし、異文化間ケア創出の過程と影響要因を検証した。その結果、職場の環境と日本人の対応の仕方が、外国人の社会文化的適応に影響を及ぼし、それが心理的適応を左右して異文化間ケアへとつながることが明らかとなった。日本人では、共感力が基盤となり外国人と共に働く協働スキルを高め、協働文化を醸成して精神的健康を促すことが示された。研究2では、外国人の関わりがもたらす高齢者への影響を検証した。外国人が働く施設に入所する高齢者は、外国人が施設で働くことを好意的に受け入れており、うつ傾向が低いことが明らかとなった。これら一連の研究を通し、多文化化していくケア現場において、外国人の異文化性をどのように活かしていくのかの手掛かりを得ることができた。