研究概要

研究テーマ

高齢者が行政と協働して進める介護予防を目的とした地域活動は、地域の互助機能を向上させるか？

研究概要

　本研究では、A市の高齢者による介護予防を鍵とした地域活動によって、健康増進のみならず地域の互助機能をも向上させる取組の成果を、経年的に把握するための2年目の追跡調査を行い中間的な成果を検討した。また、取組を調整するコーディネータの役割についても検討した。65歳以上を対象とした郵送調査の結果（回答数3190件, 64.4%）、前年度に比較して、介護予防に関する認知の広がりと、実際に取り組む者の増加が確認された(p<.01）。一方、地域活動への参加数の増加は未だで、これが今後の重点課題であることが明らかになった。この調査結果からは、地域活動に参加している者は、そうでない者に比べて、ネットワークに関する得点が高い(p<.01)ことなども確認されており、コーディネータの役割として捉えられた“新規に活躍する者の養成”“活躍する者の情報交換”“関係者間の橋渡し”の一層の検討を含めて、本研究の結果はA市における取組を引き続き進める原動力となった。