研究概要

代表者氏名冨澤 公子(とみざわ きみこ)
代表者所属機関立命館大学産業社会学部
役職・課程非常勤講師
助成年度2012年度

研究テーマ

健康長寿におけるコミュニティの役割~奄美群島の幸福な老い~

研究概要

 本研究の目的は、これまでの長寿研究ではあまり議論されていない長寿者の帰属する地域のコミュニティ特性(伝統的文化・習慣など)をもう一つの長寿要因ととらえ、長寿者を多く輩出している奄美群島を対象に、コミュニティが健康長寿に果たす役割について文献調査やフィールド調査、インタビュー調査から明らかにすることを目的とした。併せて幸せな老いの姿を映像でまとめることとした。
 結果、奄美群島の集落は、厳しい自然や抑圧と向き合いながらも祭りや伝統行事を継承し、結による相互支援の人間関係が今に生きて、孤立化や人間関係の希薄化を防止していた。祭りは長寿者が地域の伝統文化を次世代に引き渡す場として機能し、役割があることが有用感を高め、敬老の習慣のなかで長生きを目指していた。奄美群島における幸福な老いの姿から、健康長寿に果たすコミュニティの役割が理解され、このことは映像からも確認された。